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KUNPU NEWS

2014年4月号のKUNPU NEWSをアップしました。
2014.04.22
ここでは、先日閣議決定された「特許法等の一部を改正する法律案」の概要についてご紹介します。

1.背景
今回の法改正は、今後10年で世界最高の「知的財産立国」を目指すこととしている「日本再興戦略」及び「知的財産政策に関する基本方針」(いずれも平成25年6月閣議決定)の着実な実行のために、知的財産の更なる創造・保護・活用に資する制度的・人的基盤の早急な整備が必要であることを背景としています。

2.法案の概要
今回の法改正では、国際的な制度調和の観点も踏まえ、特許法(救済措置の拡充及び特許異議の申立て制度の創設)、意匠法(複数国に意匠を一括出願するための規定の整備)、商標法(保護対象の拡充及び地域団体商標の登録主体の拡充)等の改正による制度的基盤の整備を行うとともに、弁理士法(弁理士の使命の明確化・業務の拡充)の改正による人的基盤の整備を行います。

3.改正事項
A.特許法
(1)救済措置の拡充
国際的な法制度に倣い、従来から認められていたものに加え、以下に示す手続きについても、出願人に災害等のやむを得ない事由が生じた場合に手続期間が延長されます(理由がなくなった日から14日(在外者は2月)であって、本来の手続期間経過後6月以内)。
・設定登録料の納付
・新規性喪失の例外適用を受けることができる発明であることを証明する証明書の提出
・優先権書類等の提出
・出願の分割
・出願の変更
・存続期間延長登録出願についての第67条の2の2第1項の書面の提出
・既納の特許料の返還請求
・出願審査請求手数料の返還請求
・過誤納の手数料の返還請求

また、以下に示す手続きについては、正当な理由がある場合は、本来の手続期間の経過後も一定の期間内(経済産業省令で定める期間内)に手続きが可能になります。
・国内優先権主張出願
・パリ条約の例による優先権主張出願
・出願審査請求

なお、実用新案法、意匠法、商標法及び国際出願法も同様に改正されます。
(2)特許異議の申立て制度の復活
特許掲載公報の発行日から6か月以内に限り、特許異議の申立てが可能になります。特許異議の申立ては、「何人」も行うことができます。
特許異議の申立て制度の創設に伴い、無効審判の請求人適格が「何人も」から「利害関係人」へと変更されます。

B.意匠法
「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」(加入を検討中)に基づき、複数国に対して意匠を一括出願するための規定を整備するための改正です。
具体的には、国際意匠登録出願に関する条文(意匠法第60条の3~第60条の22)が追加されます。

C.商標法
(1)保護対象の拡充
我が国においても、色彩のみの商標及び音の商標が、保護対象となります。
これに伴い、商標の使用の定義に、「音の標章を発する行為」が追加されます。
(2)地域団体商標の登録主体の拡充
現行法では、地域団体商標の登録主体は事業協同組合等に限定されていましたが、今回の改正により、商工会、商工会議所及びNPO法人が追加されます。

D.その他
(1)国際出願法
PCT出願をする場合に、他国の特許庁や国際事務局に対する手数料を、我が国の特許庁に対する手数料と一括で納付することが可能になります。
(2)弁理士法
「知的財産に関する専門家」としての弁理士の使命を弁理士法上に明確に位置づけるとともに、知的財産権に関する契約の代理や相談、出願以前のアイデア段階での相談業務等ができることが法律に明記されます。