Page top

BLOG

  • 代表BLOG
  • 東京BLOG
  • 名古屋BLOG
  • English
  • 中文
  • 한국어

知財トピックス

欧州統一特許裁判所(UPC)協定の暫定適用が開始(2022.1.19)
2022.03.01
 統一特許裁判所(UPC)準備委員会は、1月19日付けの発表で、UPCの設立に必要なUPC協定暫定適用に関する議定書が発効したと発表しました。
 現在、欧州では既に欧州特許制度が運用されていますので、特許出願人は、欧州各国へ個別に出願しなくても、欧州特許庁(EPO)に一括出願することによって、欧州特許を取得することができます。しかしながら、現状では、欧州特許庁の審査により欧州特許が成立した場合であっても、出願人は、選択した欧州各国ごとに有効化(validation)の手続を踏む必要があるため、手続面やコスト面において特許出願人に負担が大きいという問題を抱えていました。また、特許訴訟については各国ごとに行う必要がありました。
 今後、UPCが正式に発効すれば、欧州各国に対する有効化の手続を踏むことなく、UPC協定加盟国においては単一の効力を有する欧州特許を取得することが可能となります。欧州特許が侵害された場合には、UPCへ特許権者が提起することで、権利保護を受けることができるようになります。

 なお、UPCの暫定適用期間は、最低でも8か月を要すると見込まれています。ドイツがUPC協定に対する批准の届出をすると、その4か月後にはUPC協定が正式に発効し、UPCの業務が開始されることになります。UPC業務の開始に向けて前進しました。