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知財トピックス

特許出願分野の選択と集中
2015.01.07
一昨日(1/5付)の日経新聞・朝刊にて、家電大手社の特許出願戦略が「量から質への転換」という旨の記事が掲載されており、「特許をたくさん持っているだけでは競合相手には勝てないことがよく分かった」旨の同社・知財センター長のコメントも掲載されていました。

この記事により、「特許出願の量的戦略は効果がないのだ」という誤解が生じる可能性があります。確かに、特許出願件数の戦略なき量的確保は競合相手にとって脅威にはならないでしょう。しかし、自社の事業の進む道と技術開発(研究開発)の方向性を見極め、出願分野を選択し、真に必要な分野(特に、強い競合相手がいる分野)へ、戦略的に出願件数を量的に集中させていくことは重要と思われます。権利行使に使える特許出願や実際に実施する特許出願だけに過度に絞り込むことは危険であり、自社の自由技術開発領域(他社の権利を侵害する心配のない領域)を確保する上でも、必要な分野へ必要な件数を継続的に特許出願していくことは今後も重要と思われます。

要するに、「何のために特許出願するのか」をより明確にすること、具体的には、事業や技術開発との連携を図り、さらには競争相手をも見据えた特許出願を戦略的に、計画的に行うことが今、求められていることなのでしょう。