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知財トピックス

(独占排他権である)特許の光と影
2015.03.26
特許制度は、簡潔に言えば、ルールを守って産業の発達を促進させ、ひいては人間生活を豊かにするための制度と言えます。しかしながらすべての技術分野において、その制度目的が達成できているのかについて、時々疑問に思う時があります。

例えば、医薬分野では、特許による新薬の独占は、莫大な費用と時間のかかる新薬開発のモチベーションとなっており、これにより新薬の開発が促進されていると言えます。これは「特許の光」と言える側面でしょう。

一方、生活インフラに密接に関係するような技術分野(例えば、IT、エネルギー、環境分野など)では、新規開発技術を独占可能な特許の存在が、むしろ人間生活により有用な技術が普及していく動きに対してブレーキをかけているということがあります。これは「特許の影」と言える側面でしょう。

最近、特許を無償提供等する、いわゆる「特許の開放」の話題が新聞記事になることが多くなっていますが(例えば、トヨタの水素自動車やパナソニックのIOT技術の開放)、この「特許による技術の独占」とは真逆の「特許の開放」というやり方もまた産業の発達、ひいては人々の暮らしをより便利にし、豊かにするという点で、特許制度の目的に沿っていると言えると考える今日この頃です。