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KUNPU NEWS

2013年1月号のKUNPU NEWSをアップしました。
2013.01.22

本号の特集記事 ~中国における商標登録出願について~
(1)一区分一出願
日本の商標登録出願においては、一つの商標登録出願において、複数の区分を選ぶことが可能です。例えば、第18類の「かばん類」と、第25類の「被服」を指定商品とすることができます。一方、中国の商標登録出願においては、一つの出願において一つの区分しか選べません(マドリッドプロトコルは除く)。二区分に出願したい場合は、2つの出願という扱いになります。
(2)指定商品
日本と同様にニース協定の国際分類表が採用され、中国商標法においても指定商品の分類がなされています。しかし、例えば、第25類の「被服」のような、「洋服」、「下着」、「帽子」、「靴下」を包括する、いわゆる上位概念による指定は中国商標法では基本的に認められておりません。このため、各々の商品を具体的に指定する必要があります。また、指定商品は、その数が10を超える場合、追加の手数料が必要となります(マドリッドプロトコルは除く)。加えて、指定商品について日本とは異なる類否基準がありますので、注意が必要です。
(3)商標の表記
中国商標法では、いわゆる「標準文字」という概念がありません。そのため、使用を予定している字体やロゴ化された商標がある場合には、その商標で出願することが望ましいです。例えば、漢字の字体についても、中国大陸などで使用される漢字-「簡体字」で使用することが明らかな場合には、簡体字で構成された商標を出願することが望ましいです。
(4)英文文字商標
英文商標については、審査段階で、観念の有無が特定されます。中国語に翻訳可能と判断された商標については、翻訳された漢字とピンイン(中国語での漢字の発音を表すローマ字とアクセント記号による文字列)に分けて審査されます。観念がないと判断された場合は、アルファベットの組み合わせとして審査されます。
(5)日本語文字商標
中国国内で日本語表示をそのまま使用する場合は、その使用する日本語の表示態様で出願しておくことも推奨され、また、日本語の発音に似た中文文字についても出願しておくことも推奨されます。なお、ひらがな、カタカナは、基本的に図形として審査されます。
(6)その他
1)企業名や商品名などの略称
中国でビジネスを進めていくにつれて、企業名や商品名が略称化していくケースがあります。このような「略称」についても、第三者に先出願されると使用困難になりますので、早めに出願をしておくことが推奨されます。実際に、日本企業がその企業名の略称を先出願されてしまい、問題になったケースがあります。
2)パッケージ商標
中国人はデザイン(意匠)によって商品を選択する傾向が強いと言われます。従って、模倣商品への対抗策の一環として、文字や図形だけでなく「パッケージ全体」についても出願しておくことが推奨されます。
3)登録商標の使用
中国商標法では、登録商標は登録態様のまま使用することが義務化されています。使用において登録商標と態様が異なると判断された場合には、罰則が科され、登録が取り消されるおそれがあります。
登録商標の態様の変更には、例えば、縦書きから横書き、又はその逆への変更や、前述の「簡体字」から、台湾、香港、マカオなどで使用される漢字-「繁体字」へ、又はその逆への変更などが含まれます。
<参考文献>
「中国の知的財産法」(編)創英知的財産研究所 (発行)東洋経済新報社
「マドリッドプロトコル実務の手引き」 (著)河合千明・齋藤純子(発行)発明協会
「中国商標に関する商品及び役務の類似基準(日本語・英語訳付)及びその解説」(編)岩井智子 (発行)発明協会