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知財トピックス

国立大学の特許出願件数動向
2017.12.18
 文部科学省の調査によると、国立大学の特許出願件数が2006年度をピークに減少しているという。その理由は、特許出願する発明の選別を行っていること、特許費用の減免経過措置が終了したことなどが考えられるという。
 大学の出願件数の減少は、やはり、知財にかかるコストが一番の要因で、次に、知財の有効活用をうまく図れないために、大学での「特許の価値評価」が高まらないことが理由と思われる。
 実際、コスト視点では、企業との共同出願を積極的に行って大学の費用負担低減を可能にできる大学が、出願件数が多い傾向にある。例えば、東京大は、トヨタ自動車、東北大学は東京エレクトロンン、東工大は住友化学などとの共同出願が多いようである。大学は企業のような防衛出願の必要性はあまりないわけであるから、契約の在り方に知恵を出して、出願した特許を大学の収入にいかにつなげられるかがポイントであろう。すなわち、現在の硬直した契約の在り方ではなく、相手方に応じて臨機応変に契約内容を柔軟に対応していけるかどうかが重要と思われる。
 今後一層、自立が求められると考えられる国立大学は、知財をテコにして企業の力を利用し、大学の研究開発力を向上させていくことが求められていくであろう。そのためには、企業との単発の共同出願ではなく、企業との包括的な技術的提携をベースに特許出願をしていく方法を一層工夫していくべきである。そのためには、大学として、企業が魅力に感じる強い技術分野や研究領域を戦略的に構築していく必要があり、換言すれば、大学の差別化が求められていると思われる。